男性型脱毛症(AGA)のセルフチェック

自分の髪の毛が抜けて地肌が透け始めると、男性であれば誰でも不安になるはずです。

 

「自分の薄毛の原因はなにか?」「これからどんどん薄毛が進行するのか?」「どうすれば抜け毛が改善できる?」そういった不安に駆られて薄毛が気になり始めた人はAGA病院に足を運びます。

 

しかしながら、すぐに簡単に男性型脱毛症(AGA)治療の病院へ誰もが足を運べるかというと、そういう訳にはいきません。「金銭的な問題」や「時間の問題」、「立地の問題」など様々な障害があって、髪に不安を抱えながらも「すぐに病院へ行って治療する」という決断が出来ないケースの方も非常に多くいるはずです。

 

そういった方に、不安を漠然と抱えるのではなく、ある程度自分の現状の理解と方向性を把握して「不安を軽減する方法」として「男性型脱毛症(AGA)のセルフチェック」というものがあります。

 

まず自分の薄毛症状が男性型脱毛症(AGA)かどうかという簡易なチェック方法がありますので、その方法を紹介していきます。ただ、正確な診断に関してはやはり医師の診察及び告知で確定しますので、あくまでも可能性を図る簡易なチェック方法ということを覚えておいてください。

 

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①20歳を過ぎてから髪が抜け始めてきましたか?

テストステロンの分泌が高まる20代前後を境に男性型脱毛症(AGA)の症状が出始めるケースが多いとされています。ただ、その症状の進行状況は様々ですので「見た目」や「抜け毛」が気になるのは30代なのか40代なのかは人それぞれです。

 

 

②髪が薄くなり始めたのは「頭頂部のツムジ」「前頭部の生え際」のどちらかか、その両方からですか?

別のページでも紹介している男性型脱毛症(AGA)はそのメカニズムにおいて、髪が「頭頂部のツムジ」「前頭部の生え際」のどちらかか、その両方から薄くなり始めるのが男性型脱毛症(AGA)の最大の特徴です。

 

また、逆に後頭部は側頭部の髪は非常にしっかり太い髪の毛がしっかりと生えており、髪を伸ばすと髪の縦のボリュームよりも横のボリュームが出てしまうという特徴もあります。

 

 

③抜け毛が徐々に増え始め、その中に「細い髪」や「軟らかい毛の軟毛」「短い髪」が含まれていますか?

男性型脱毛症(AGA)は髪のヘアサイクル(毛周期)が乱れることで、髪がしっかりと成長仕切る前に抜けてしまう症状です。その為、髪が生え始めて髪が固く成長する前や、しっかりと伸びきる前に抜けてしまうことで、こういった抜け毛を発見することが出来ます。髪のミニチュア化とも呼ばれています。

 

④父方・母方の家系に薄毛の人はいますか?

遺伝による影響を男性型脱毛症(AGA)は強く受けるとされており、父方・母方の家系に薄毛の方がいる場合にはその可能性が高いといえます。

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もし上記セルフチェックで1つでも当てはまる場合には、男性型脱毛症(AGA)の可能性が高い為、まず出来る限り早いタイミングで一度AGA病院の医師の診察を受けましょう。

 

そして、シャンプーや育毛剤などの医学的な根拠の無いものにお金を浪費することなく、フィナステリドやミノキシジルを持ちた治療を行うようにしましょう。

ファイザー株式会社が男性型脱毛症治療薬「フィナステリド錠」の製造販売承認取得

2015年2月19日にファイザー株式会社がジェネリック医薬品として、「フィナステリド錠0.2mg/1mg「ファイザー」」の製造販売承認を取得したことが好評されました。発売時期は未定ですが、準備が整い次第発売とのことなので、患者さんの手元に届くにはもう少し時間が必要かもしれません。

■製造販売承認詳細

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承認日:2015年2月19日(木)
販売名:フィナステリド錠0.2mg「ファイザー」/フィナステリド錠1mg「ファイザー」
標準先発品名:プロペシア錠
薬効分類名:5α-還元酵素II型阻害剤
製造販売承認取得会社:ファイザー株式会社

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(参考URL:http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2015/2015_02_20.html)

なお、男性型脱毛症の治療薬であるフィナステリドは、国内で2005年12月に先発品が発売されており、日本ではMSD製薬(旧 万有製薬)が「プロペシア」という商品名で薬を販売しています。MSD製薬が放送している爆笑問題を起用したCM「薄毛の悩みはお医者さんに相談!」でAGA(エージーエー)という言葉の認知が一気に広がりました。

 

現在はインドの製薬会社が製造したプロペシアのジェネリック医薬品(エフペシア・フィンペシア)などが日本では出回っていましたが、製品品質に関しては疑問点が残った状態でした。特に個人輸入した場合には薬自体が偽物というケースも多く、トラブルが絶えないのが現状です。

 

今回発表された、日本のファイザー株式会社が男性型脱毛症治療薬「フィナステリド錠」のジェネリック薬を製造・販売することで、AGA治療薬が「安価」にそして「安全」に手に入る世の中になるかもしれません。

 

 

 

 

 

男性型脱毛症(AGA)治療薬の副作用とは

先日の記事の中で、男性型脱毛症診療ガイドラインにおいて最も効果が見込める推奨度「A」に「フィナステリド内服」と「ミノキシジル外用」があることをお伝えし、その効果や有用性を詳しく記載していきましたが、今回は「フィナステリド内服」の副作用に関して詳細をお伝えしていきます。

 

「フィナステリド内服」に関しては、「性欲減退」「胃部不快感」の2点に関して臨床試験の段階で報告が訴えられています。なお、前提としてフィナステリドはそもそも前立腺肥大の治療薬として5mg容量で処方されているのが一般的ですが、男性型脱毛症(AGA)治療薬のプロペシアなどは基本的に1mgで処方されており、男性型脱毛症(AGA)の治療薬のフィナステリド容量は相対的に見ると非常に低いという事実をお伝えしておきます。

 

■フィナステリド内服の「性欲減退」と「胃部不快感」について

国内臨床試験時では、1 mg のプロペシアで胃部不快感、性欲減退など 6% 程度の副作用が認められたが、この副作用の発現頻度は、プラセボという有効成分の入っていない錠剤で起こった副作用の頻度と同程度である。(Wikipedia 項目:フィナステリド 引用)

 

プラセボとほぼ同様という結果から考えると、フィナステリドと「性欲減退」「胃部不快感」の関連性はデータ上は無いにと言っても過言ではありません。また、その他にも理由がありますので後述していきます。

 

なお、プラセボとは有効成分が入っていない「もの」で、何の効果もない乳糖やでんぷんなどで作った薬の形状をしているものです。薬の効果を調べる際には、既に市場で出回っている薬を対処として、その効果を比較することが一般的ですが、対象薬が無い場合にはプラセボを用います。

 

例えば、人間は医師から「痛み止め」として薬をもらうと、たとえ全く効果が無いプラセボであっても、薬を飲んだ安心感・満足感で自らの自然治癒力を高めて怪我や痛みを治してしまうというケースがあります。そういったケースと比較して、薬がしっかり効果が得られるのかという事を治験を通して比較検証したということです。

 

「性欲減退」に関して、もう1つフィナステリドとの関連性が無いと考えられるのは、「性欲」に関しては男性ホルモンである「テストステロン」に起因する生理現象です。しかし、フィナステリドは「テストステロン」自体の生成には関与をしません。あくまでもフィナステリドが5α還元酵素と代謝をしてジヒドロテストステロンになることを阻害する薬です。その為、人間の構造上フィナステリドが「性欲」に対して影響を与えることは考えにくいといといえます。

 

また、フィナステリドは厚生労働省からプロペシアの注意喚起としも記載されていますが、男性限定ですので、女性は一切飲むことは禁止されています。その中で、よくある質問が、男性がプロペシアを飲んでいて、女性が妊娠しても良いかということです。

 

この質問も人間の構造上から考えると影響もありません。女性の体内で子供が成長する際のホルモンバランスが崩れることで、乳幼児奇形の可能性が出てきます。そう考えると妊娠前後で男性がフィナステリドを飲んでいたからといって、妊婦自身のホルモンバランスが崩れる訳ではありません。

 

なお、フィナステリドは服用を止めれば24時間前後で体外から排出されますので、何か気になるようであれば、まず服用を止めることをおススメ致します。また、副作用との関連性もあくまで現在分かっているデータと、体のメカニズムによるもので、未だ人間の構造で分かっていない部分もある可能性があります。

 

本当に気になる症状があるようであれば、医師に必ず相談して下さい。

 

有効成分フィナステリドのジェネリック医薬品とは

男性型脱毛症の治療において、5α還元酵素阻害剤としてフィナステリドが有効成分であるとお伝えしてきましたが、日本ではMSD製薬が「プロペシア」という商品名で全国の病院へその薬剤を卸販売しています。そして世間ではこのプロペシアにもジェネリック医薬品があると言われていることをご存知でしょうか?

 

最近では病院で薬を処方される時に「薬剤師にジェネリックでも良いですか?」と聞かれたことがある人も多いと思いますが、ジェネリック医薬品というものが実際どういうものかご存知でしょうか?

 

ジェネリック医薬品とは、後発医薬品と呼ばれています。新薬の特許期間が満了後、厚生労働省の承認を得て製造・販売されるお薬のことで、新薬と同等の効き目や有効成分を低価格で処方出来ます。その理由というのは、実際に1つの新薬を開発するのにスクリーニング、非臨床試験、臨床試験など膨大な人と時間を掛けて約100~150億掛かります。また、月日の経過により競合に同じような薬を先に発売され、発売開始直前で開発停止というケースもあり、薬の開発には製薬会社の並々ならぬ努力と投資があります。そして、それを乗り越えた新薬は約10年間その薬の「物質特許」「製法特許」「製剤特許」「用途特許」などの特許で利益を独占することができます。

 

しかしながら、10年経過するとその特許が他社にも解放され、何百億と研究・開発をしなくても、そのマニュアル通りに後発の製薬企業が同様の薬を作れますので、それがジェネリック医薬品として安価に患者さんの手元に届くことになるわけです。

 

ちなみにプロペシアはアメリカの製薬会社メルク社が開発した薬で、1997年12月22日にアメリカの政府機関であるFDA(アメリカ食品医薬品局)がフィナステリドを有効成分とした男性型脱毛症の治療薬として認可して発売が開始されましたが、その新薬特許は2019年まで拘束力が残っています。

 

では、何故世の中ではプロペシアのジェネリック医薬品という触れ込みで薬が出回っているのでしょうか。

 

その答えはインドの製薬会社で製造しているからです。インドでは2005年に特許制度が改正されるまで、新薬の特許保護が一切認められておらず、新薬が独占販売されず複数社ですぐにジェネリック医薬品が製造・販売しているという、市場全体が混沌として状況でした。勿論、インドで開発されたものに限らず世界中で開発された新薬も、独自に成分を分析され特許が守られること無く、製造が繰り返し行われています。

 

では男性型脱毛症治療薬のプロペシアのジェネリック医薬品として販売されているものに、どんなものがあるか見ていきたいと思います。

 

【フィンペシア】:インドマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を置く製薬会社である「シプラ社」が製造。

【エフペシア】:インドマハーラーシュトラ州ムンバイに本社を置く製薬会社である「シプラ社」が製造。

【フィナロ】:インドのアーマダバードに本社を置く製薬会社である「インタス・ファーマシューティカルズ社」が製造。

【フィナバルド】:インドのサント・ナガーに本社を置く製薬会社である「イースト・ウエスト・ファーマ社」が製造。

 

基本的には男性型脱毛症治療に有効な成分の「フィナステリド」がいずれも含まれていますが、勿論プロペシアと成分も製造方法も全く同じという訳では無いので、同じ効果が出るという保証は一切ありません。特にフィンペシアに関しては薬のコーティング剤にキリンイエローという発がん性物質が使われていたことが話題になったケースもあります。なおキリンイエローの発がん性に関しては諸説ありますが、そもそもタール由来の色素で、日本では直接体内に取り込むものには使用が禁止されています。(なお現在はキリンイエローフリーのフィンペシアが主流)

 

また、残念ながら世界の製薬会社にと比べるとインドの製薬会社の製品レベルはあまり高いわけではありません。また、個人で輸入する場合には、そもそも薬が本物かどうかを見極める術は一切ありません。また、よく個輸入仲介サイトで成分証明書を発行しているところもありますが、手元の商品が本当にその成分表と同じという保証は一切ありません。

 

一概にどちらが良いという事はいえませんが、メリット・デメリットをしっかりと把握した上で、自分で男性型脱毛症の治療方法を選択しましょう。

ハミルトン・ノーウッド分類とは

男性型脱毛症(AGA)の症状は進行性であるため、その脱毛の具合やパターンが様々です。

前頭部の生え際から少しずつ薄くなるケースや、頭頂部のツムジ周辺から髪が薄くなるパターン、もしくはその両方から髪が薄くなるパターンなどがあり、それを様々なステージに分類した一覧表をハミルトンノーウッド(Hamilton-Norwood)分類といわれるものです。

 

これはアメリカの皮膚科医であるハミルトン氏が男性型脱毛症(AGA)の症状を分類した雛形を更にノーウッド氏が改良し完成したことから二人の名前と取って、ハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれるようになりました。なお、二人の名前の頭文字を取って「N-H分類」と呼ばれるケースも多いようです。

 

では早速そのハミルトンノーウッド(Hamilton-Norwood)分類をみていきましょう。

 

ハミルトンノーウッド(Hamilton-Norwood)分類
Journal of Investigative Dermatologyより引用

 

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・第一段階:Ⅰ~Ⅱ 前頭部の生え際から後退が始まりますが、まだ見た目に顕著に男性型脱毛症(AGA)の症状は出ていない状態。いわゆるM字型と呼ばれる生え際の両端部分から地肌が露出していく。

 

・第二段階:Ⅲ~Ⅵ ここから症状が大きく2つに分かれ、前頭部の生え際の後退のみが引き続き続いているパターンか、ⅢVERTEXの様に頭頂部からも脱毛が始まるパターンがあります。なお、日本人においてはⅢVERTEX型の様な前頭部の生え際と頭頂部のつむじ部分の両方から脱毛が進むパターンが多いとされています。

 

・第三段階:Ⅶ~Ⅷ 脱毛症状がかなり進み、側頭部と後頭部以外にはしっかりとした髪が残っていない状態。産毛や細い髪の毛が進行した部分にまばらに見られる状態ですが、太い髪は残っていません。

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男性型脱毛症の治療において、脱毛の進行を止めるプロペシア、そして発毛を促すミノキシジルも、毛髪のヘアサイクルの寿命(生え変わり回数)が残っていればこそ効果を発揮することが出来ます。そう考えると、第一~第二段階までの症状が現代の男性型脱毛症治療において最も効果が高いとされています。

 

第三段階に関しては、男性型脱毛症治療の効果が出にくい為、どれだけの毛量を求めるかによりますが、自毛植毛やカツラなどで対応するケースが多いようです。ただ、素人目には第三段階でヘアサイクルの寿命(生え変わり回数)が終わった毛根が多いと見えても、医師がしっかりと確認すると細かい産毛が沢山生えていて、実際のAGA治療が有効な状態の場合もありますので、一度は医師に相談するのが良いでしょう。

 

なお、女性の脱毛症の分類にはルードヴィヒ(Ludwig Classification)分類と呼ばれ、頭頂部の脱毛状況からⅠ型~Ⅴ型に分類されますが、こちらの詳細はまた後日ご紹介していきます。

 

男性型脱毛症診療ガイドラインとは

2011年に日本皮膚科学会が男性型脱毛症診療ガイドラインという男性型脱毛症の治療において、どんな治療が有効性が高く、どんな治療の有効性が低いのかというガイドラインを発表しました。

 

それまでは、男性型脱毛症や薄毛治療という分野において、様々な企業が男性型脱毛症や薄毛の原因を医学的根拠無しにCMなど広告で謳い「薄毛を改善」出来る商品として、シャンプーやサプリメント、育毛剤などを販売していましたが、この男性型脱毛症診療ガイドラインの発表により、そういった企業のマーケティング手法は効果を失いつつあります。

 

なお、この日本皮膚科学会というのは、1900年に土肥慶蔵博士の提唱により創立された医師によって作られている公益社団法人で、皮膚に纏わる様々な研究や学会を行っています。そして、この団体が男性型脱毛症診療ガイドラインを発表したことにはAGA治療において当時は非常に大きな意味がありました。

 

では、男性型脱毛症診療ガイドラインがどんなものかというと、今まで有象無象あった男性型脱毛症の9つの治療法を5ランクの推奨度に分類したものです。その5ランクとは以下の通りです。

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【A】:行うよう強く勧められる。

【B】:行うよう勧められる。

【C1】:行うことを考慮しても良いが、十分な根拠がない。

【C2】:根拠がないので薦められない。

【D】:行わないよう勧められる。

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それではどんな治療がこの5ランクに分類されているのか細かくみていきましょう。

 

【A】:行うよう強く勧められる。

・フィナステリド内服

フィナステリドの内服薬の事で、日本だとMSD製薬からプロペシアという名前で薬が販売されています。5α還元酵素阻害剤といわれており、テストステロンがジヒドロテストステロンに代謝されるのをブロックしてくれることで、ヘアサイクルの周期を乱す信号が出ることを妨害してくれます。基本的には病院で処方してもらう薬です。

 

・ミノキシジル外用

ミノキシジルの外用薬の事で、基本的には病院で処方してもらう薬ですがこちらは、OTCであれば「リアップ」がという商品が発売されています。リアップのCMで「唯一発毛出来ると言える育毛剤はリアップだけ」と言っているのはこの為です。頭髪の成長因子の分泌を後押しして、太く健康な髪が生えてくるようにサポートしてくれます。

 

【B】:行うよう勧められる。

・人毛植毛

自分の毛髪を利用する植毛法です。男性型脱毛症は、頭の側頭部や後頭部にはしっかり太い髪の毛が残りますので、そこの毛髪を専用の機械を利用し採取し、頭髪が薄くなった部分に植えるというものです。植えられた毛髪は、移植部分の毛細血管や神経と結合することで、そこでまた成長していきます。これはいわゆる「手術」になります。なお、植毛時には大小はありますが、ショックロスという移植時の影響で移植した髪が抜ける現象が起こります。移植した毛がそのままずっと生えるという訳ではないので注意が必要です。

 

【C1】:行うことを考慮しても良いが、十分な根拠がない。

・塩化カルプロニウム外用

フロジン液と呼ばれ、基本的には病院で処方してもらう薬です。局所血管拡張作用があり、頭皮に散布することで、頭皮の血流を増やすという効果があります。病院では5%前後の塩化カルプロニウムが入ったフロジン液を処方されることが一般的です。また、1~2%であれば、第一三共のカロヤンアポジカという商品名で薬局で手に入れることも出来ます。

 

・t-フラバノン外用

正式名称は「トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン」と呼ばれ、西洋オトギリソウに含まれる アスチルビンという成分を安定化させた物質で、花王がこの成分に注目し、この成分を含有した育毛剤を発売しています。

 

・アデノシン外用

アデノシンという物質は頭皮においては、毛乳頭細胞に成長因子であるFGF-7の分泌を促すといわれてはおりますが、立証するまでの十分な研究データは得られていないようです。また、血管拡張作用などもありますが、カフェインによってその効果が阻害されてしまうといった側面もあります。

 

・サイトプリン・ペンタデカン外用

ペンタデカンは髪の主成分であるケラチンを生み出すエネルギーを供給し、サイトプリンはEPHRINという成長因子の分泌を促すというデータをライオン株式会社が2003年に発表はしていますが、研究・臨床結果のデータが少ないことから、その効果が日本皮膚科学会においては確証されていません。

 

【C2】:根拠がないので薦められない。

・セファランチン外用

抗アレルギー作用のある薬として、円形脱毛症に関しては一定の効果が認められているものであるが、男性型脱毛症に関しては、効果が認められていない。円形脱毛症と男性型脱毛症は脱毛の特徴が大きく異なるので、あえて円形脱毛症以外のケースで使うことは無いでしょう。なお、円形脱毛症は健康保険が適用され、一般の皮膚科で処方してもらえます。

 

【D】:行わないよう勧められる。

・人工毛植毛

人工の髪の毛を埋め込むので、髪の毛がほとんど残っていない状態でも毛量を増やすことが出来ますが、あくまでも体内では異物として認識されてしまうので、遅かれ早かれ全て抜けてしまいますし、移植部の化膿や炎症が起こる可能性も高い。また、定期的にメンテナンスの必要もあるため、コスト面も非常に多くかかります。安全性は確立されていません。

 

このように、男性型脱毛症診療ガイドラインは医療の目線から様々な治療法の効果をランク付けしたものです。企業の広告や宣伝に騙されない為にも、一度しっかりと確認をしておきましょう。

テストステロンとジヒドロテストステロン

男性型脱毛症のメカニズムの中でもジヒドロテストステロンが原因であることをお伝えしていきましたが、このジヒドロテストステロンに関してもう少し掘り下げて書いてみたいと思います。

 

まず、体内からジヒドロテストステロンという物質がいきなり分泌されるわけではありません。まずテストステロンと呼ばれる、一般的に男性ホルモンと呼ばれる物質が精巣のライディッヒ細胞と、副腎から体内に放出されます。

 

ちなみにホルモンとは体内で特定の物質から分泌され、血中や体液を通して体中を巡回して、特定の細胞や器官に対して影響を及ぼす生理活性物質です。生理活性物質とは微量で生体反応を制御する化学物質を指し、人間のホルモンは大きく分けると「タンパク質ホルモン」「アミン・アミノ酸誘導体ホルモン」「ステロイドホルモン」に分類できますが、男性ホルモンはこの「ステロイドホルモン」に分類されます。なお、ステロイドホルモンは脊椎動物に作用し、ステロールという科学構造を持つものです。

 

このテストステロンと呼ばれる男性ホルモンは視床下部でその分泌量が制御されており、二次性徴時には「陰毛が生える」「声変わりが起こる」など需要な役割を果たし、その後も「ヒゲや骨格の構築」「筋肉増加作用」「男性性器の発育」など男性においては一生不可欠なホルモンといえます。また、肉体面だけでなく「ポジティブな思考」「活力を上げる」といったバイタリティを引き上げる効果もあるとされいます。ここで重要なことは、テストステロンの状態では髪の脱毛を引き起こす作用は無いということです。

 

そしてこのテストステロンが5-アルファリダクターゼという酵素と結合し代謝されることでジヒドロテストステロンという脱毛を引き起こす物質がここで初めて生まれます。なお、血中を巡っているテストステロンと5-アルファリダクターゼが身体のどこで結合するかというと、5-アルファリダクターゼ1型5αリダクターゼは主に皮脂腺、2型5αリダクターゼは毛乳頭から分泌されいます。(※なお前立腺などにも5αリダクターゼが一部存在します。)

 

このジヒドロテストステロンはDHTや、最近では悪玉男性ホルモンと呼ばれることもあります。このジヒドロテストステロンは女性のお腹の胎児が男性へ性分化する為には「テストステロン」と「ジヒドロテストステロン」の2種類のホルモンが必須であるため、テストステロンからジヒドロテストステロンの生成を阻害するフィナステリドが女性の服用が禁止であるのはこの為です。なおホルモンの働きでみると、ジヒドロテストステロンはテストステロンと異なり、「キビの発症」に密接に関与したり、「前立腺肥大」などに影響を及ぼすと考えられています。

 

この様にテストステロンとジヒドロテストステロンは元の物質は同じですが、その生まれる過程や仕組み、構造は大きく異なります。それぞれの特徴を把握することで、男性型脱毛症の理解をより深められると思います。

 

 

 

 

 

遺伝子と男性型脱毛症

子供の頃に「祖父の髪が薄くなっていると、いずれお前も髪が薄くなる」と言われたことはありますか?恐らく男性であれば、小学校位にそんな話題は1度は耳にしたことがあるかもしれません。そこで実際に遺伝子と男性型脱毛症にそもそも関係性があるのか、そしてもし関係があるのであればどのようなものなのかという事を書いていきたいと思います。

 

まず、そもそも遺伝とは、父方から23本の染色体(XY染色体)、母方から23本の染色体(XX染色体)をもらい系23組46本の染色体から自分は形造られていきます。その為、ざっくり言ってしまうと父と母から半分づつ「目の色」「肌の色」「髪の質」など外見的なものから、「走るのが早い」「視力が良い」などの素質や内面的な面を受け継ぎます。(今回、ミトコンドリアDNAは母方かたの遺伝のみ影響があることや、優性・劣性遺伝の話は今回除きます)

 

話を戻すと、まず結論から男性型脱毛症と遺伝が関係するかというと「関連します」ただ、祖父だけの隔世遺伝が影響するかというと、それは違います。

 

男性型脱毛症に影響がある遺伝は母方の祖母・祖父、そして父親の遺伝が強く関係しているといわれています。まず、X染色体にある男性ホルモン受容体遺伝子(androgen receptor gene, AR gene)は男性型脱毛症に大きく影響がある遺伝子といわれていますが、これがX染色体上にあることから母方の祖母・祖父からの影響を受けることが分かっています。また、性染色体以外の染色体である常染色体の「3q26」や「20p11」という領域において、疾患性遺伝子が存在しており、これは父親の遺伝が強く影響することが分かっています。

 

その為、子供の頃に「祖父の髪が薄くなっていると、いずれお前も髪が薄くなる」というのは、遺伝が関係あるのは正解ですが、祖父だけでは無いので半分正解の半分不正解といったところでしょうか。

 

また、近年ではアンジェリーナジョリーが遺伝子検査で乳がんのリスクが高いことが分かり、乳腺を切除したことが話題となり、遺伝子検査が日本でも話題になりました。そして男性型脱毛症(AGA)治療においても、同様に遺伝子検査によって、将来において男性型脱毛症(AGA)になるリスクというものがある程度把握出来るようになりました。

 

なお、この男性型脱毛症(AGA)遺伝子検査はAMAZONなどで購入して個人でも受けることが出来ますが、その結果を正確に把握することを考えれば医師のいるAGA治療病院で検査を受けることをおススメします。

 

ちなみにこの男性型脱毛症(AGA)遺伝子検査は口の中の粘膜を使うので、注射や痛みを伴う検査ではありません。この口内粘膜の遺伝子から「CAG・GGC」のリピート数からAGAを発症するリスクを算出します。また、CAGの独自リピート数からAGAを治療した際のフィナステリドの感受性も把握することが出来ます。検査から約2週間前後でこの結果を把握することが出来ます。

 

ただ、検査を受ける上で気を付けたいのが「あくまで可能性」という事です。生活環境において体質は大きく変化をしますので、そこは十分に把握した上で検査を行って下さい。

 

成長因子の男性型脱毛症(AGA)への影響

男性型脱毛症(AGA)の治療において、HARGや育毛メソセラピーは、頭皮に成長因子を直接注入するということをお伝えしましたが、この成長因子がどんなものなのかを、更に詳しく説明していきたいと思います。

 

まず成長因子とは体内の特定部位に成長や分裂などを働きかけるタンパク質であり、別名で細胞増殖因子などと呼ばれることがあります。

 

この成長因子は特定の場所から分泌されるのではなく、体内の様々な器官から分泌されて、血中を巡り、骨や筋肉、皮膚や内臓、神経に至るまで全ての器官にその成長分裂、修復を働きかけますが、やはりホルモンと同様に年齢と共にその分泌量が減少していく傾向にあります。

 

男性型脱毛症の治療において、なぜこの成長因子が重要になってくるかというと、髪の成長にもこの成長因子が必須になります。髪を太くしっかりと成長させる為の「鍵」といっても過言ではありません。では、具体的にどんなものかをいくつか紹介してきたいと思います。

 

・KGF

→ケラチノサイト成長因子と呼ばれ、一般的に皮膚や口腔、胃腸のの上皮細胞を刺激して増殖、分裂を促します。髪を生み出す毛母細胞もこのKGFを補充することで、毛母細胞の分裂が活性化して、髪を成長させることが出来るといわれています。

 

・FGF-5S

→線維芽細胞増殖因と呼ばれ、一般的には血管新生、創傷治癒など特定の部位に働くのではなく、非常に広範囲の組織において細胞の増殖や分化を促すたんぱく質とされています。具体的に髪にどう働くかというと、髪の毛周期において休止期からの脱毛において強く「FGF-5」という成長因子が働きかけて髪の脱毛を促します。その「FGF-5」の分泌と毛乳頭細胞への結合を阻害し、髪が抜けにくい環境を作り上げてくれます。ただ、このFGF-5Sのタンパク質の構造は壊れやすく、体内で5時間前後で壊れてしまいます。

 

・VEGF

→血管内皮細胞増殖因子と呼ばれ、血管を新たに構築したり血管の枝分かれを促進するなど、主に血管に対し、増殖や分裂を促します。これにより頭皮の毛細血管を活性化し、毛乳頭細胞に栄養や酸素をしっかりと行き渡らせることで、髪の成長を促すという訳です。

 

 

このように男性型脱毛症は5αリダクターゼによる毛周期の短命化による影響を改善するフィナステリドの内服が主な治療法と考えられてきましたが、積極的に太く健康的な髪を生やしていく為の成長因子(グロースファクター)を用いた治療も有効であることが分かってきました。

男性型脱毛症(AGA)におけるHARG治療と育毛メソセラピー

男性型脱毛症(AGA)の治療において、男性型脱毛症診療ガイドラインに記載が無いものの。医学的に男性型脱毛症(AGA)治療に有効ではないかとされている治療法が、「HARG治療」もしくは「育毛メソセラピー」と呼ばれる治療です。

 

この治療は、頭皮から直接プロペシアやミノキシジル、そして成長因子(グロースファクター)を直接頭皮に注入していきます。

 

なお、1回の治療で10万円近くする「HARG治療」と1回の治療が2万円前後の「育毛メソセラピー」は何が違いのか?という声を良く聞きますが、基本的な成分や効果は同じです。唯一、違いとしては「HARG治療」はHARGカクテルというブランドが付いている薬剤(内容は育毛メソセラピーとほぼ同様)を利用しており、ブランディングされている治療か否かという点です。

 

例えるのであれば、全く同じ高級レザーで作った財布が2つあってシャネルブランドのロゴが入ると10万円、ブランドのロゴが時は入らなければ2万円ということです。なので、HARG治療のブランド名をどれだけ重要視するかという点が、「HARG治療」と「育毛メソセラピー」のどちらを選ぶのかにおいて重要なポイントになります。

 

では、その治療の中身についてですが、まず頭皮に薬剤をいれるに当たっても現在様々な手法がありますので、いくつか紹介をしていきましょう。

 

・ニードル法

注射針を利用して頭皮に薬剤を注入してきます。以前は一般的な手法でしたが、人によっては大きい痛みが伴う為、現在ではあまり実施する病院及び男性型脱毛症(AGA)治療クリニックはありません。

 

・ノンニードル法

針を使わずに先が丸い棒状の機器を利用します。電気閃光法などで浸透圧の力を利用して、薬剤を塗り込んでいきます。痛みは全く無く、薬剤もきちんと頭皮にしみ込む為、現在男性型脱毛症(AGA)治療クリニックではこちらの方法が主流となっています。

 

・エアーショット(メドジェット「MEDJET」)

最近開発された手法で、メドジェット「MEDJET」という機器を利用しますが、こちら厳密にいうとニードル法の様に針を利用します。しかし。0.03mm(30ミクロン)という一般の注射針の10分の1の細さの針を利用する為、痛みは一切ありません。蚊に刺された時に痛みはありませんよね?それと同様かそれ以下の細さの針を利用します。その針から炭酸ガスを利用して一気に頭皮に薬剤を注入ます。なお、HARG治療においては日本で初めて四谷ローズクリニックの吉澤院長がエアーショットHARG(メドジェットHARG「MEDJET HARG」)を研究・開発し日本で治療を実施しています。

 

次に薬剤の話をしますが、男性型脱毛症(AGA)において有効とされる「フィナステリド」「ミノキシジル」の薬剤は基本的に入れていきますが、最も重要なのが「成長因子」(グロースファクター)と呼ばれる薬剤です。

 

成長因子というのは、身体の各機関の成長促進や分化を促すタンパク質のことを指します。一般的にグロースファクターという名前で広く知られていますが、髪の成長にとっても非常に重要な役割を果たします。タンパク質なので、例えば薬のように口から摂取すると体内で分解されてしまいますので、HARGやメソセラピーで頭皮から直接頭皮の毛細血管にしみ込ませることで効果を発揮できるという訳です。

 

なお、髪を太く力強く成長させるにはVEGF,IGF-1,FGF-5S,KGF等の成長因子が有効と考えられており、最近では育毛剤にも導入されるケースがあるようです。

 

この成長因子の詳細は次回にご説明していきたいと思います。